さて,iPhone 4S連載企画。その3はAndroid対iOSで行こうかな,と思っていましたが,気になるニュースが飛び込んできました。
『docomoからiPhoneを出すのもやぶさかでない』(2011.10.18 docomo山田隆持社長)
というわけで予定変更。その3は『docomoからiPhone?編』でいきます。
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docomoからiPhoneがリリースされる。完全なる後出しジャンケンですね。NTTの得意技ですね。まあこれも,圧倒的にユーザー数が多いからこそできる戦略ですが,私にはいただけないですね・・・
そこでとdocomoからiPhoneがリリースされると仮定して,考えられる点を挙げていきます。
・Appleが拡大戦略に乗り出している。しかし・・・
この点は,Appleが普通のメーカーになってしまった,ということが考えられます。Appleはスペシャリスト層に支持される,玄人好みのメーカーであったと私は思っています。
ジョブズ健在の頃は,そういう点を崩さずに一般層にもウケる経営方針を打ち出していたように見えます。確かにiPadやiPod touch,MacBook Airが近年の代表作ではありますが,スペシャリストであるニッチユーザーも離さなかった点が,ジョブズの経営バランスの巧みさであると感じています。
そして最大の問題点は,各国原則一社独占を崩していること。
これにより,ソフトウェア開発の労力が増えてきているのが現実かと思われます。ただでさえこの分野に弱いApple(これは,Lionの不安定さを見ると明らかです)。サポートのレベルが更に要求されると思います。
また,電話会社とのパワーバランスが弱くなっているのも,目に見えます。
最近の訴訟問題といい,この件といい,最近のAppleは迷走している感があると思います。
Appleの力が落ちているからこそ,訴訟は起きるわ,au・docomoに間隙を突かれるわ,という状況が見えます。
・さて,iPhoneをリリースして・・・
問題は,おそらくXi搭載のiPhone5がリリースされるであろう(?)として,本当に逃げ切れるのか,という問題です。
データ量の巨大化・クラウド化によって,通信量は莫大に増加するものと考えられます。
iCloudは,帯域制限なしのネット回線があってのもの。現段階のXiでは,これは非常に厳しい問題であると考えられます。
理由は,Xiにも帯域制限があること。7GBまでは定額ですが,iCloudの利用を考えると7GBでは足りないのではないかと思います。
ここが変わらないとMNP転出が増えるのではないか,と思います。まあ,既存ユーザー数の力で押し切れる可能性も高いですが。
こうなると,帯域制限のないWiMAXが現段階では非常に有利な立場に立てるでしょう。
となると,iPhone5をリリースしても,WiMAX搭載のiPhone5がリリースされるであろう(?)auにMNPするユーザーが多く出てくるのではないか,と思います。
スマートフォンは,通信品質あってのもの。その点を見ると,auが一番有利に働くでしょう。
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というわけで,その3は『docomoからiPhone?編』でした。
正直な話,今後落ち目になるであろうAppleに今頃乗っかろうとしているdocomoの経営感覚の鈍感さを感じます。まあ,シェア50%超ですから出来る技といえばそれまでですが。
(次回予告)
今度こそ訴訟問題あたりの話でも。
iPhone 4Sにおける私見(その3・docomoからiPhone?編)

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